原田君って職場の飲み会では、
わりとムードメーカーで、
場を盛り上げたりしてくれる。
仕事中も明るくて、
誰と話しても会話途切れずって感じなのに、
今、こんなに静かで落ち着いてる。
時々、料理についてのコメントをして…
「これはバターの風味が
きいてておいしいですね」とか
ほめるコメントばかり。
時々、私のプライベートをきいてきて…
「休みの日、
何時に起きますか?」とか
ちょっと細かいこと。
会話がない時は、
私を見つめてきて、
目が合うと、ニコッと微笑む。
ナイフとフォークで
骨付きの肉を食べるのが上手い。
使い慣れてるのかな。
昔付き合っていた
年上の男のことを思い出した。
大人っぽくて、タイプな人だと思ったら、
食事中はたくさんお酒を飲んで、
口から食べ物を飛ばしながら大声で話すし、
食べ終わったお皿も汚くて…
「あれ~?柿川さん?」
後ろから懐かしい、
でも聞きたくない声が聞こえて、
私は固まった。
「あ、やっぱり~。久しぶりね~」



