「……。
あれ?柿川さんって、
そんな顔するんですね」
「…え、どんな顔してる?」
「小さな子供が、
いたずらして怒られて、
反省してる顔みたいです」
「そんなこと…ないけど」
「職場ではいつも、
キリッとしてるんで、
新鮮で…」
原田君が首を傾けた。
「かわいいです」



『バカなこと言ってないで、
さっさと仕事に戻りなよ』っていう、
職場のキャラ用に
作った口ぐせは出てこなかった。




「このこと、
誰にも言わないので、
僕とデートしてくれませんか?」