でも一緒に住みだすと、だんだん慣れがくる。
二人だけの甘い時間が、いつの間にか、なんの刺激もない、ありふれた日常へと変わっていったんだ。
もちろんある、ひよりへの深い愛は。
可愛い彼女だし、ひより以外の女はどうでもいいとさえ思うし。
だけど……
一緒に暮らしだし、俺はだんだんバンドへの熱が戻っていった。
アパートでイチャイチャするより、ギターをかき鳴らして声を張り上げて歌いたい!
バンドへの欲望が、強くなっていったんだ。
そんな時に、フェスの話が舞い込んできた。
俺の夢が叶うかもしれない、ビックチャンス到来!!
『誰にも邪魔されない所にこもって
がむしゃらに曲を作りたい!』
そう思っちゃうのは、しょうがなかったよな?



