自分の容姿の美しさを自覚していないのだと。


いわゆる無自覚だと。


これほど容姿が整っていて無自覚って、意味わかんねぇ。


梨緒「時雨様?」


はっと我に帰る。


「あ、あぁ、大丈夫だ」


俺がそう言うと、ほっとした表情をする梨緒。


龍生「時雨様、梨緒に甘すぎです」


「そうか?」


龍生「まぁ、梨緒は甘やかすほうがいいと思いますが」


‘なんでだ?’と聞こうとしたが、龍生がスキップで食堂へ向かう梨緒を見て、哀しげに大切そうに見ていた。


2人に一体何があったかは知らない。


でも、そのことを聞いてしまえばきっと2人は……