王子様達はお姫様達を溺愛

龍生「…時雨様?」


え?


「龍生?部屋の片付けは終わったのか?」


龍生「はい。梨緒はおそらく少々睡眠をとっていると思います」


早いな…。


梨緒はもう寝たのか…疲れているなら仕方ない。


「龍生、明日の午後空いているか?」


龍生「明日?」


‘キョトン?’と言う顔をする龍生。


「紹介したいヤツらがいてな」


龍生「あぁ、そう言うことですか。はい、僕も梨緒も空いていますよ」


よかった。


空いていなかったらどうしようかと…。


?「うるせぇなぁ?」


えっ?


部屋から出てきたのは間違いなく梨緒で、先程とはほど遠い威圧感だ。


本当に梨緒か?


そう疑いたくなるほど、梨緒は豹変していた。


隣を見ると、‘やってしまった’と言う顔をする龍生。


おそらく幼なじみであろう龍生がこんな顔をすると言うことは相当だろう。


梨緒「…」


睨みを効かせる梨緒。


初めて梨緒を怖いと思った。


龍生「梨緒、ご飯の時間だ」


…へ?


突拍子もないことを言いだす龍生。


梨緒「ご飯?…すみません!時雨様‼︎」


サァと血の気がひいていく梨緒。


ただでさえ大きな瞳をさらに見開き戸惑っていた。


梨緒「本物に本物に申し訳ありません‼︎」


頭を勢いよく下げる梨緒。


「いやいや!気にしてない!」


梨緒「本当ですか?」


うっ!


頭を少々上げ、目に涙を溜めたまま上目遣いでこちらを見てくる梨緒にドキッとしてしまった。


…って、梨緒は男だ!


男にときめくなんて…でも、今の時代はありえるのか…。


中世的な顔立ちだが、どこか大人びている梨緒は、きっと今まで相当モテてきただろう。


だが、最初の梨緒を見て思った。