庭に着き、ベンチに座る。



「梨緒と龍生、か」



あいつらの雰囲気、なんだか族に入っている様な感じだった。



しかも、かなり上位の族。



俺ですらびびってしまうのなら、全国以上の族……って、考えすぎか。


あいつらは組の人間だ。


なら威圧的な雰囲気を放っていてもおかしくない。


梨緒の方は苗字が真さんと同じ櫻葉。


だとすると若頭か時期副組長、幹部あたりの役職にはついているだろう。



俺らの族に欲しい逸材だな。



その時ちょうど仲間の弥生(-ヤヨイ-)から電話がきた。



「もしもし」


弥生〈もしも〜し♪弥生くんだよ〜!〉



……電話きろうか。



「用がないならきるぞ」



弥生〈いやいや!まって‼︎遥(-ハルカ-)くんから怒られる〜!〉



遥から?


族関連か…。




「で?なんだ?」



弥生〈1週間後に全国No.7の族が攻めに来る〉



いっきに雰囲気が変わった弥生。



1週間後に?




「そうか、わかった。明日に集会をする。集めておけ」



弥生〈りょーかい〉



「あと新しく護衛についたやつらも紹介するから、よろしく」



弥生〈護衛〜?わぁお、ぼっちゃんは住む世界が違いますな〜〉




住む世界が違う?


何言ってんだコイツ。



「同じ世界に住んでるだろ」



弥生〈いや、そう言う意味じゃなーい!もうっ!時雨のそー言うとこが話しが通じないって言われんの!〉



なかなか失礼なヤツだな…。



俺、総長なのにな…。




「はぁ。じゃあ、頼んだぞ」



弥生〈はーい〉



電話をきり自分の部屋へ戻る。