「……まったくあの人は」
潔はため息混じりに師匠が消えたとされる方角を見る。犬を散歩させている人が無風を二度見して通り過ぎて行く。
「じゃあ私も行くわね。師匠の唾液……ゴミは私が預かるわ」
涼音は無風の手からゴミをさらうと河原を後にした。その背中が豆粒くらいになったかと思うと、黒塗りの高級車がするすると土手に停車した。中からスーツ姿の二人組が大股で土手を降りて真っ直ぐこちらに近寄って来る。
二人組はオラオラしながら潔と無風の周りを回る。
「お前、何処のモンじゃ」
髪をオールバックにまとめた長身の男性が言った。サングラス越しに、じろじろ二人を睨みつけてきた。
「さっきから見とればアホみたいなかっこでお嬢にベタベタ触りよって。この変態クソタイツが」
金髪のポニーテールが言った。こちらは小柄な女性である。顔のサイズと合っていない大振りなサングラスがずり落ちそうになっている。
無風はいつの間にか、潔が自分を庇うように前に出ていることに気づいて、こうしてはいられないと自分が前に出た。その拍子に、金髪の女性にぶつかりそうになる。
金髪の女性は「わっ」と短く声を上げ、ゆっくり尻餅をついた。
「おいっ大丈夫か能村(のむら)!」
オールバックが彼女を助け起こす。
「ぐふっ……どうやらわしゃもう駄目じゃ。高木(たかぎ)……後は頼ん……だ」
ぱったり……と、能村の体から力が抜けた。
潔はため息混じりに師匠が消えたとされる方角を見る。犬を散歩させている人が無風を二度見して通り過ぎて行く。
「じゃあ私も行くわね。師匠の唾液……ゴミは私が預かるわ」
涼音は無風の手からゴミをさらうと河原を後にした。その背中が豆粒くらいになったかと思うと、黒塗りの高級車がするすると土手に停車した。中からスーツ姿の二人組が大股で土手を降りて真っ直ぐこちらに近寄って来る。
二人組はオラオラしながら潔と無風の周りを回る。
「お前、何処のモンじゃ」
髪をオールバックにまとめた長身の男性が言った。サングラス越しに、じろじろ二人を睨みつけてきた。
「さっきから見とればアホみたいなかっこでお嬢にベタベタ触りよって。この変態クソタイツが」
金髪のポニーテールが言った。こちらは小柄な女性である。顔のサイズと合っていない大振りなサングラスがずり落ちそうになっている。
無風はいつの間にか、潔が自分を庇うように前に出ていることに気づいて、こうしてはいられないと自分が前に出た。その拍子に、金髪の女性にぶつかりそうになる。
金髪の女性は「わっ」と短く声を上げ、ゆっくり尻餅をついた。
「おいっ大丈夫か能村(のむら)!」
オールバックが彼女を助け起こす。
「ぐふっ……どうやらわしゃもう駄目じゃ。高木(たかぎ)……後は頼ん……だ」
ぱったり……と、能村の体から力が抜けた。



