その後もめぼしい発見は無かった。潔が見つけた卑猥な和綴の本を慌てて隠す文藏。食器を壊して亡き妻に叱られたことを思い出し、ちょっとイライラする文藏。オセロの石が足りないことに気づきがっかりする文藏。死ぬほどどうでもいい文藏の新たな一面が積み重なっていく。潔は大層疲弊した。その上埃を吸ったせいか鼻が痒い。
そんなことをしているうちに無風が壺の中にすっぽり入って出られなくなってしまうなどのハプニングもあった。
偶然人間の姿になったことで壺が割れ、脱出できたのだが。
「怪我が無くて何よりだったな」
帰り道、潔は鼻を擦りながら言った。
「すみません、面倒かけて」
全身タイツの無風はしゅんと項垂れた。
「いや、気にするな」
阿部丘書店の前を通りがかったところで、二人は店主に呼び止められた。
「やあ潔ちゃん、こないだはどうも」
店主は無風を見て一瞬なんだこいつは、という表情になったが、引き攣った笑顔を見せながら、「えーっと、彼氏かい?」と訊ねた。
そんなことをしているうちに無風が壺の中にすっぽり入って出られなくなってしまうなどのハプニングもあった。
偶然人間の姿になったことで壺が割れ、脱出できたのだが。
「怪我が無くて何よりだったな」
帰り道、潔は鼻を擦りながら言った。
「すみません、面倒かけて」
全身タイツの無風はしゅんと項垂れた。
「いや、気にするな」
阿部丘書店の前を通りがかったところで、二人は店主に呼び止められた。
「やあ潔ちゃん、こないだはどうも」
店主は無風を見て一瞬なんだこいつは、という表情になったが、引き攣った笑顔を見せながら、「えーっと、彼氏かい?」と訊ねた。



