むふむふ

「だってねえ」

 と、優子はすすーっとお茶を啜る。

「許すも何も、もう何年も前から決まっていたことじゃない? 今更驚きも無いっていうか」
「私は何も聞いていないんだがな……」
「そう? まあでもお母さんだって伝え忘れることくらいあるわよ」

 潔は母の呑気さに軽くショックを受ける。そんな大事なことを伝え忘れるってなんだ。愛とは何か。
 そんな潔をよそに、無風はそわそわ嬉しそうにしている。

「あの、結婚お許しいただきありがとうございます。お、お義母さん」
「あら! あらあら! お義母さんですって。嬉しいわぁ。お茶お代わりしちゃお」

 何杯でも飲めちゃうと言いながら優子はぐびぐび茶を飲んだ。この分では夜中何度もトイレに起きるに違いない。かち合った家族がびっくりしたりするんだろうな。

「トイレにばっか行きたくなるぞ」

 と、潔はため息混じりにどちらが母親だかわからなくなるようなことを言った。

「いいわよ、どうせこれもうダメなやつよ。興奮しすぎて眠れやしないわよ」

 優子は嬉しそうに言うと、どこかに立った。多分、トイレだった。