「ちょっと話がある」


「何よ、いきなり。それに今仕事中。見たら分かるでしょ」


「わざわざ半休取ってきたんだ」


「じゃあ、余計に貴方の休暇に付き合ってる暇なんかないの」


連絡もせず突然本部を訪ねたからか、安藤の機嫌はすこぶる悪い。


「主任、お電話でーす」


「分かった。……悪いけど、私忙しいから」


声を掛けた職員に返事をし、俺を睨むように一瞥すると自分の席に座って電話を取った。

その隣の席の椅子を引っ張り出して腰を下ろし、電話が終わるのを待つ。