渉はジュースの缶をベンチに置いたと思ったら、ブランコの方へ行って、ブランコに乗った。
どんどん大きく漕ぎ出していく渉。
「だいぶ高くまで漕げるようになったね!」
「まあ、もう高校生だし?」
私も渉の隣のブランコに移動する。
私がブランコをちょっとだけ漕いだタイミングで、渉は砂の音を立てて止まった。
「そのブレスレット、もしかして皆藤ってやつとお揃い?」
「へ…?」
渉の発言にびっくりして、慌てて腕を見てみる。
だけどブレスレットは隠れていた。
「あ、電車に乗ってる時、見えたから」
「あー…」
渉は、私と伊吹くんがお土産コーナーにいた時のことを見たのかな。



