カレカノごっこ。



もう、ペンギンのふれあいタイムは終わってる時間。

中抜けしたとことを、班のみんなになんて言い訳しよう。

そう考えながら歩いていると、早々に班のみんなと遭遇してしまった。



「お前らどこ行ってたんだよー」

「探したよー?!」



わ、どうしよう!?

なんて言いえばいいかな…。



「ごめーん、みんな!俺方向音痴でさ!」



伊吹くんは顔の前で両手をぱちんと合わせて、大きな声で謝った。



「途中でみんなのこと見失っちゃって。俺の後ろにいた井上さんまで巻き込んじゃった、ごめん」

「お前、そーゆーとこあるよな」

「井上さんに謝れ」



みんな伊吹くんの言葉に納得したようで、それからは何も言われなかった。

本当に伊吹くんは口が上手いなぁ。

でも桃々はごまかせなかったみたいで。



「いや、嘘じゃん?なにごと?」



察しのいい桃々は困惑していた。