カレカノごっこ。


照れ隠しもかねて、私も自分が持っていたブレスレットを取り出して、伊吹くんの腕を手に取った。

ちょっとびっくりしている伊吹くん。

そんな伊吹くんの腕に、私の持っていたブレスレットをつけた。

つけ終わると、伊吹くんは顔を隠した。

今、伊吹くんがどんな表情をしているのか分からない。

でも。



「嬉しい」



口元を両手で押さえながら、そう言った伊吹くんも、顔が赤くなっているような気がした。





伊吹くんは私のことが…好き…?





私の煩悩が勘違いを加速させる。

伊吹くんはなんで私にそんな表情してくれるの?

なんで私をデートに誘うの?

もしかして、もしかしてって、期待が膨らんでしまう。


ってか期待って…。

これじゃ私、伊吹くんのことが好きみたいじゃん…。