カレカノごっこ。


「腕、出して」

「え?」



戸惑っている私の腕を伊吹くんが持ち上げる。

そして袖を少しまくって、さっき買ったブレスレットを私につけてくれた。



「うん、似合ってる」

「…ありがとう」



まさか今つけてくれるなんて思ってもなかった。

自分でも顔が赤くなったのが分かる。

建物の影だから伊吹くんに気づかれてないよね…。

そう思って伊吹くんの顔を見ると、伊吹くんと目が合ってしまった。



「っ…」



もう心臓が張り裂けそうになる。

なんでこんなにドキドキしてるの…。