そのあと、腎臓を移植する話が出たけど断った。
家族の腎臓をもらうとか、どう考えても無理だった。
ただでさえこんなに迷惑かけてんのに、これ以上の迷惑はかけたくなかった。
俺が断ると母親は泣いていた。
透析とちゃんとした食生活さえしていれば、すぐに死ぬような病気ではない。
ただ移植をしないと、生きている限り透析は続く。
普通の人よりも気をつけなければいけないことはたくさんあるし、普通の人より長く生きられないかもしれない。
それでもやっぱり、移植は無理だった。
もう母親に泣いてほしくなかった俺は、できるだけ明るく振る舞った。
家族の前でも友達の前でも。
俺は全然平気だよって伝えたかった。
だけど、それもだんだんしんどくなってきて。
高校に進学する時、俺はできるだけ遠くの高校を選んだ。



