偽りだらけの私の世界に、本当をくれたのは君でした。

 深くお辞儀をして、不知火さんが壇上の隅に移動した。

 私を見て、微笑んだ。

 頑張ってください、と。

 私は微笑み返して、読み上げ始める。

 明らかに、不知火さんのときとは空気が違う。

 羨望の眼差しを向けられる。

 全体を見渡すと、うっとりとした表情を浮かべる人が何人もいた。

 私の書いた文章にではなく、私の容姿。ルックスのたいして。

 やっぱり、不知火さんみたいに人の心を動かすことはできなかった。