年下御曹司の箱入り家政婦

「あら?羽菜ちゃん知らなかったの?」

「聞いてないですよ!何ですか?
新店舗って?」

「親父から聞いてなかったか?
来年、新店舗をオープンするんだ。」

「オーナー、そんなこと一言も言ってなかったですよ。
でも新さん、すごいじゃないですか!!」

「あぁ、だから、来年からは俺はそっちに行くから
ここはお前たち三人ともう一人雇って任せることになる」

「えっ、そうなんですか...?」

私の顔が思わず曇る。


もっと新さんの下で勉強したかったのに...


「俺がいなくなるのが寂しかったら
結婚して一緒に暮らせばいつでも会えるぞ?」

新さんは私の頭にポンと手を乗せると
私の顔を覗き込んで優しく微笑んだ。

「な、何をこんなところで言ってるんですか?」

「えぇっ!?二人ってそういう関係だったの!?」

関さんは口に手を当て
目玉をひんむいている。

「ち、違います!!勘違いです!
新さん、関さんが変な誤解してるじゃないですか!!」

「俺は本気だけど?」

新さんの言葉に関さんは「ギャー」
と頭を抱えて悲鳴を上げる。

「新さん、何をいっちゃってるんですか!!
関さんが頭おかしくなってるじゃないですか!?」

「ちょっと羽菜ちゃん!
誰が頭おかしくなってるって?
失礼しちゃうわ」

「いえ、関さんそういう意味では...」