年下御曹司の箱入り家政婦

「僕が納得すれば、すぐ終わるよ。」

「そんなこと言って何を言っても
櫻ちゃん簡単に納得しないでしょ?
私はもう寝るから!
櫻ちゃんが仕事に支障をきたそうが
私には関係ないし!
もう自分で解決して!」

「ああそう。分かったよ。
自分で解決するよ。」

櫻ちゃんは投げ槍な言葉を吐いて立ち上がると、私に向かってゆっくりとあるきだした。


「そうよ。それがいいわ。
って何でこっちに向かってくるのよ ...?」

私は身の危険を感じて一歩後退る。

無言で向かってくる櫻ちゃんに
私は「もう寝るからね!」
とドアノブを回して
部屋に逃げようとした。

その時

バンっと開きかけていたドアを
櫻ちゃんの大きな手で閉められた。

そして気づいた時には
ドアと櫻ちゃんの間に挟まれていた。

「えっ?えっ?なに?」

しどろもどろの私を
櫻ちゃんは高い位置から見つめている。


「だから今から自分で解決するんだよ」

そういって櫻ちゃんはニコリと
私に微笑みかけてくる。

「ど、どういうことよ?」


「だって羽菜ちゃんが自分で解決しろって言ったでしょ?
解決するには羽菜ちゃんを
今夜僕だけのものにするしかない」

この意味分かるよね?と
櫻ちゃんは獲物を見つけた獣のように
瞳をギラリと光らせた。


「な、なんでそういうことになるのよ?」


「僕のこの不安な気持ちを落ち着かせるにはこの方法しかないんだよね...」


冗談でしょ?

私の表情は凍りつき、
背中にたらーっと変な冷や汗が流れる。

きっと冗談よ...
でも、櫻ちゃんは追い詰められたら
何をしでかすか分からない...

「僕も無理矢理ってのは
やりたくなかったんだよ?
でも、他の男に取られる
くらいなら仕方ないよね。」

そう呟いた
櫻ちゃんの顔がゆっくりと近づいてくる。

「うわぁっ」

私はすんでのところで
櫻ちゃんの口を自分の手で塞いだ。

「何を堂々と犯罪宣言してるのよ!?
分かったから、、ちょっと待って!
ちゃんと話し合うから離れて!」

私は大あらわで櫻ちゃんを説得する。


「えぇ~、
でも僕、結構興奮してきたんだけど?」


「何をバカなこと言っちゃってるの!?
いいから座って!!」


顔を真っ赤にして慌てふためく私に
櫻ちゃんは懸命に笑いを堪えている。


「そうなの?
じゃあ残念だけどしょうがない。
お話をしようか?」


私はうんうんと頷いた。

それを見た櫻ちゃんはようやく私から離れるとソファーの前まで歩みを進め
ドサッと腰かけた。


仕方なく私も櫻ちゃんの後に続いた。

「変なこと絶対しないでよ?」

私は櫻ちゃんに念を押してから
恐る恐るソファーに腰をおろした。