年下御曹司の箱入り家政婦

「こっちは真剣にいろいろ考えてるのに
からかい過ぎです!!」

「だってこんなにからかって面白いやつはいないだろ?」

「単純って言いたいんですか?
そうやって、人を馬鹿にして...」

羽菜は拗ねたように口を尖らせた。

「ごめんごめん。
夢野は怒った顔も拗ねた顔も可愛いから
つい、からかいたくなるんだよな」


「だっ、だから、そういうのを止めてくださいって
言ってるんです!」

羽菜は茹でだこのように顔を真っ赤にして
いやいやと首を横に振っている。

新さんは私の抗議に「嫌だ。」と
余裕の笑みを浮かべながら肩肘をつくと
「その真っ赤に怒った顔も可愛いよな」とじっくりと
観察するようにと見つめてきた。

羽菜は恥ずかしから顔が沸騰しそうになり
新の視線から逃げるように目を反らした。

「もう、何も言いません!
この話は終わりにしてグラタン食べましょう!!」

そして、必死に話題を変えようと声を張り上げた。