年下御曹司の箱入り家政婦

浴室に入るといつもより、
念入りに体を洗っていく。

羽菜ちゃんにはエッチなことするなと
忠告されたのだけど、万が一でも羽菜ちゃんの気が変わる可能性だってあるのだ。

遊園地のときだって頬とはいえ
羽菜ちゃんからキスしてくれるなんて
予想もしない奇跡が起きたのだから、
何が起こるかわからない。

頬にキスされたときのことを
思い出すとどうしても
顔が緩んでしまう。

浴室の鏡に写った絞まりのない自分の顔が
気持ち悪くて思わずシャワーを顔面に浴びせかけた。

それでもブルッと顔についた水を
手で拭うと再び顔はふにゃっと弛んだ。

こんなに幸せで良いのだろうか。

幸せすぎて叫び出したい気持ちを
何とか抑える。

あまりに長い間妄想に更けっていたので
お風呂から出る頃には湯中りしていた。

バスローブを羽織り、軽くドライヤーで
髪を乾かすとバスルームを出た。

寝室へ入る前にドリンクバーの前に立ち
コップに水を注ぐと渇いたのどに一気に流し込んだ。

そして気を引き締めて寝室のドアノブを
回した。