年下御曹司の箱入り家政婦

それから1人ソワソワしながら待っていると
30分後、寝室のドアが開いて羽菜ちゃんが顔を覗かせた。

「櫻ちゃん、お風呂出たから次入っていいよ」

湯上がりで色っぽく頬を上気させた羽菜ちゃんに、「う、うん!」思わず声がうわづってしまう。

「えっ?ベッド一つしかないの?」

一つしかないベッドを見つけた羽菜ちゃんは怪訝に眉をひそめながら寝室に入ってきた。

「でも、これキングサイズよりも
大きいサイズだから二人でも
十分大丈夫だよ」

ベッドに腰かけていた櫻介は両手を広げて
ベッドの広さをアピールする。

「う~ん...まあ、そうね...
こんだけ広ければいっか...」

羽菜ちゃんはベッドを眺めながら
納得したように頷いた。

僕はホッと胸を撫で下ろすと
「じゃあ、僕もお風呂入ってくるから♪」
早く一緒に寝たくてベッドから立ち上がった。

そして、ウキウキと心弾ませながら
ドアノブに手を掛けたとき
「こんなに広いのに枕近すぎない?」
と言う声が聞こえて振り返る

すると、羽菜ちゃんは先ほどくっつけていた枕を元の位置より遠くに離していた。

僕は心の中で、あーーーっ!!と叫ぶ。

しかし、仲良く並んでいた枕は
容赦なく端と端に寄せられてしまい
僕はガクッと項垂れながら
バスルームへと向かった。