年下御曹司の箱入り家政婦

side櫻介

「わぁー、櫻ちゃん眺めも最高だよ!
この方角だと家も見えるかな...?
綺麗だね...ずっと見てられるかも...」

そう言って目を輝かせながら
窓の外を眺める羽菜ちゃんに
「うん、そうだね...
ずっと見ていられるよね...」
と僕は相槌を打ちながら
夜景そっちのけで
その綺麗な横顔に目を奪われていた。

「フフッ...20万の夜景ね...
...って何でこっち見てるのよ!!」

夜景を見てないのがバレて
羽菜ちゃんは怒りながらも顔が真っ赤だ。

「バレた?」

可愛い反応に思わず顔が緩んでしまう。

「羽菜ちゃん先にシャワー浴びてきたら?
パジャマも化粧水や乳液とかも
一通り揃ってると思うから」

「そうね。もう21時まわってるものね。じゃあ先にお風呂入るね!」

そう言ってバスルームに入っていく羽菜ちゃん。しかし、バタンとしまったドアが再び開いたかと思うと可愛い顔をひょこっと覗かせた。

「羽菜ちゃんどうしたの?」

「言い忘れてた。覗かないでね」

羽菜ちゃんは一言、僕に忠告すると
バタンとドアを閉めた。

失礼な!!
覗きなんてそんなゲスな真似はするわけないじゃん!!
僕はプンプンと憤慨しながらも、バスルームから聞こえてきたシャワーの音にドキドキと胸を高鳴った。

覗きなんてしない!!

自制心を奮い立たせるように頭をワシャワシャとかきみだすと、
その音から逃げるようにリビングから寝室へと向かった。

寝室にはキングサイズよりも大きな
ワイドキングサイズのベッドが
一つあり部屋を占領していた。


うわぁ~これって一緒に寝るしかないよね♪

僕は浮かれてベッドに飛び込んだ。

しかし、寝転がってみると
あまりのベッドの大きさに不満がわいてくる。

なんだよ。このベッドでかすぎないか?
これじゃあ、羽菜ちゃんと一緒に寝ても遠いじゃん!!

クイーンサイズのベッドの部屋を
選ぶんだったな...

グレードばかりにこだわってしまった自分を悔やみながらも、2つの枕を真ん中へ寄せて置いてみる。


「これでよし!!」

仲良く隣に並んだ枕を満足げに眺めた。