年下御曹司の箱入り家政婦

一泊20万なんてどんな部屋よ...
それでなくてもさっきのレストランもかなりの金額使ってたのに...

櫻ちゃんの金銭感覚に私は頭を抱える。

「櫻ちゃん、20万をどぶに捨てるなんて
私にはできないわ...
折角だから泊まるわよ!」

「えぇっ!?羽菜ちゃんいいの!?」

櫻ちゃんは歓喜の悲鳴をあげる。


「その代わり!!
絶対にエッチなことしようとしないこと!!」


「大丈夫だよ!
羽菜ちゃんの了解なしに
そんなことするわけないだろ??」


「散々、今までキスしておいて
どの口が言うのよ?」


私は櫻ちゃんの頬をつねりあげる。


「イテテっ」

櫻ちゃんは頬を擦りながらも
「神に誓って手を出さない」
と訴えかけてくる。


「約束だからね?」


「安心して!早速行こう!!」


張り切って前を歩き出す
櫻ちゃんの後ろ姿を見ながら
私は選択を誤ったかなと少し後悔する。

しかし、長年私の部屋に入り浸って
いた櫻ちゃんに対して危機感をあまり
感じることができないのだ。

そして明らかに浮き足立っている
櫻ちゃんの後ろ姿に
私は思わずクスリと笑みをこぼした。