年下御曹司の箱入り家政婦

恋愛感情はなかったのか...

どうなんだろう...

自分でも正直わからない...

確かに櫻ちゃんの言葉に感動したし、
嬉しかったのは確かだ。

櫻ちゃんの笑顔を見たとき
胸がキュッと疼いて
可愛いくて思わずキスしていたのだ。

これは恋愛感情と言っていいのだろうか···

考えれば考えるほど分からなくなってくる....

ちゃんとした確信がない限り認めてしまうことはできない...

認めてしまって後で違ってましたなんてことになったら櫻ちゃんを深く傷つけることになってしまう。

私は結局、曖昧な答えしか出ないまま
ゆっくり目を開けた。


「どう?答えは出た?」


目を開けると期待に胸を膨らませた
櫻ちゃんが目をキラキラさせて
私が口を開くのを待っている。


「うん。よく分からない」


「えぇ~~」


「でも...」


「でも?」


「でもね...
今日は櫻ちゃんと出逢えて良かったって改めて思ったの。
櫻ちゃんと出逢わせてくれた神様に感謝しなくちゃね...」

私が櫻ちゃんに柔らかい笑みを向けと
櫻ちゃんは「うん...」とはにかんだように頬を赤らめた。

「これが恋愛感情なのかは
まだ分からないけど、
私が一番幸せでいてほしいと願うのは櫻ちゃんだから...

これじゃあ納得しない...?」

上目遣いに聞くと
櫻ちゃんはゴクリと喉を鳴らして
益々顔を紅潮させた。