年下御曹司の箱入り家政婦

「でも、ご褒美は羽菜ちゃんのキスが
良かったんだけどなぁ。」

「調子に乗らない」

櫻ちゃんは「残念」と肩をすくめながらも
満足げにアイスクリームを食べている。

「絶叫マシン苦手なのに
なんで今日は遊園地にしたの?」

「うん。羽菜ちゃんの昔のアルバム
見せてもらってた時にね...
遊園地に行った時に写ってた
羽菜ちゃんが一番楽しそうに
見えたから。」

そういえば、櫻ちゃんが高校生のときに
櫻ちゃんが見たいと言うので
よく昔のアルバムを一緒に見たっけな...
櫻ちゃん、
そんなことまで覚えてくれてたんだ...

私はジーンと胸が熱くなった。

「それに今まで遊園地は
家族との思い出だけだったと思うけど...

これからは羽菜ちゃんの遊園地の
思い出に僕も入りたい...」

私は目に涙を浮かべながら頷く。

「羽菜ちゃんの喜ぶ顔が僕にとっては
一番のご褒美なんだ。」

櫻ちゃんは屈託のない笑顔を
私に向けた。

その純粋な笑顔に私の心が震える。


私は涙を溢しながら微笑むと

「櫻ちゃん、ありがとう...
私、今日とっても楽しいよ」

櫻ちゃんの頬にご褒美のキスをした。