年下御曹司の箱入り家政婦

私がこの家に来たときは当時、櫻ちゃん彼が中学3年生のときだった。
私が急に居候させてもらうことになった時も嫌な顔一つせず優しく迎えてくれた。
兄弟がいなかった私は姉のように慕ってくる櫻ちゃんが弟のようで可愛くてしかたがないのだ。
その櫻ちゃんも今日から一人前の社会人だ。

コンコン

「櫻ちゃん朝だよ！起きて！」

櫻ちゃんの部屋のドアをノックするが
中から返事はない。

「櫻ちゃん、開けるよー」

私は扉を半分開けると、そっと部屋の中の様子をうかがった。
櫻ちゃんはベッドで布団をすっぽりと顔までかぶって寝ているようだ。

さすがに初日で遅刻はまずいだろう。
気持ちよく寝ているところ可哀想だけど起こすしかない。


私は部屋の中に入りベッドの傍まで足を進めた。
「櫻ちゃん、会社遅刻しちゃうよ
起きて」
そして布団をワサワサと揺さぶった。

・・・・・・・・

しかし、いくら揺さぶっても反応はない。

ここまで揺すって起きないということは、これはまた寝たふりしているな。
たまに櫻ちゃんは私がこうして起こしにくるまで寝たフリをすることがあるのだ。

「櫻ちゃん！起きてるのは分かってるのよ！」

私はバッと勢いよく掛け布団を剥ぎ取った。
しかし、それでも尚、櫻ちゃんは目を瞑ったまま寝たふりを決め込んでいる。

「こら、もうバレてるんだから起きなさーい」

私は櫻ちゃんの横腹めがけて思いきりくすぐった。

すると、「ハハハハッごめんごめん起きるから羽菜ちゃんそれはやめて！」櫻ちゃんは身をよじって抵抗し出した。