年下御曹司の箱入り家政婦

「新さんってもしかして...」

一部始終見ていた茜ちゃんがボソッと呟いた。

「えっ?」

私は茜ちゃんの方を振り返った。


「何でもありません!」

茜ちゃんは手を横に振って
しまったと言う顔をしている。

茜ちゃんまで何かおかしい..

私が首を傾げていると、勝手口から新さんが空の塵取りを手に戻ってきた。

「夢島が予定あるなら、教えるのはその次の定休日でいいか?」


「ありがとうございます。その次の定休日なら大丈夫です」


私はペコリと頭を下げると、茜ちゃんが何か思いついたように声を張り上げた。

「あのー!!すみません!
その次の定休日以外だと予定が結構先まで詰まってるので、私だけ次の定休日でもいいですか?」


「それなら仕方がない。二人、別々の日に教えるか...」

新さんが顎に手を当て考えながら
私にチラッと目をやった。

「朝10時から始めるから遅れるなよ」

そしてすぐさま視線を反らした。

私は嬉しくて「はい!」と気合いを入れて返事をする。

茜ちゃんは「は~い」と意味有りげにこちらを見ながらニンマリしている。

私はなに?と茜ちゃんに口パクで聞くが
茜ちゃんは「そのうちわかりますよ♪」と
悪戯な笑みを浮かべる。

「あー良いことしたらお腹すいてきました!休憩取ってきま~す」

朝一からシフトに入っていた茜ちゃんは浮き足だった様子で、厨房から出ていってしまった。