年下御曹司の箱入り家政婦

「羽菜ちゃんおはよう。
あらっお父さん、またつまみ食いしてるわね。」
呆れたように入ってきたのは多恵子おば様だ。

「おば様おはようございます」

天草多恵子（49）
とっても綺麗でマイペース性格で、ただ今韓流ドラマにドはまり中だ。

「まあ今日は何かの記念日？」

おば様は目の前のいつもより気合いの入った料理の数々に目を丸くしている。

「今日から櫻ちゃんが会社に初出勤なので
精をつけて頑張ってもらおうと思って」

天草家の一人息子、天草櫻介は私の３つ下で24歳。
大学を卒業して、今日からAMAKUSAに
新入社員として入社するのだ。

「あらそうだったわね。
その張本人は初出社の日にまだ寝てるのかしら」

「初出勤で緊張して寝つけなかったのかもしれないです。私、ちょっと起こしてきますね」

「そんな玉じゃないとは思うがね。
まあ、羽菜ちゃんが起こしに来たら喜ぶと思うから起こしてやって」

おじ様は笑いながらすでにご飯を
食べ始めている。

「はい！」

きっとさすがの櫻ちゃんも緊張してるのかもしれない。
私はエプロンを脱いで椅子に掛けると
2階の櫻ちゃんの部屋へと向かった。