年下御曹司の箱入り家政婦

しかし、もうすぐ23時になるというのに
羽菜ちゃんは帰ってくる気配はない。

まさか、可愛いからどこかで襲われたとか...

はたまた、どこぞの送り狼にお持ち帰りされたとか...

『羽菜ちゃん今どこ?』メールを送るが返事はないし、電話も出ない。

嫌な予感が次々と脳裏を過って
胸がざわざわとする。

警察に電話───
いやいや、こんなことで電話しても取り合ってくれないのが落ちだろう。

こんなことならGPSでもなんでも付けておけば良かったと後悔をしていると
遠くから人が歩いて来ているのが見えた。

僕は思わずベランダから身を乗り出した。

なんだ...男か...

ガッカリしたのも束の間、
何やらその男の背後に何か見える。

僕は双眼鏡を取り出して覗くと
男にピントを合わせた。

「えっ!?羽菜ちゃん!!」

その男の背中におんぶされているのは
紛れもない羽菜ちゃんだった。

ふざけんなよ(怒)

他所の男に触られてんなよ(怒)

僕は双眼鏡を放り投げると
一目散に部屋を出た。

そして、エレベーターの下のボタンを
ダダダダッと連打する。

「あ~もう遅い!!」

のんびり階数を刻む表示灯に
しびれを切らして
非常用階段を掛けおりた。

男を知らない羽菜ちゃんは
本当に世話が焼ける...(汗)

僕は正面玄関の自動扉を出て
ターゲットを見定めると
そこに向けてもうダッシュした。