side櫻介
僕は朝からイライラしていた。
仕事のトラブル対応に追われて羽菜ちゃんにメールを送れずにいたのだ。
しかも、昼食すら食べる時間のなかった僕に
直属の上司で僕の叔父が
「櫻介、ご苦労ご苦労。さすが優秀なやつは仕事が早いよな。ついでにこれも頼むよ。」
そう言って書類の束を机の上にポンと置いていった。
ふざけんなよ(怒)
入社してから羽菜ちゃんとの時間を作りたい一心で仕事を急いで終わらせていたのが仇となり、最近、次々と余計な仕事を任されている。
「叔父さん、俺、昼飯も食べてないんですけど!これはパワハラですよ。」
僕は書類の束を手に取ると叔父さんのデスクの上に投げた。
叔父は母の弟で社長の息子の僕にも容赦はしない。
それどころか、僕に任されている仕事量は他の社員とは桁違いだ。
「若いうちの苦労は買ってでもしろっていうだろ。俺はこれからメーカーさんと飲み会だからあとはお前に任せた!」
そう言って叔父は投げた書類を
再び僕のデスクにポンと投げ返すと、
椅子にかけていた上着をさっと羽織った。
「じゃあこのまま直帰だから、櫻介ファイトっ!!」
そして逃げるようにフロアから出ていってしまった。
あんの...クソ叔父(怒)
苦労を買うなんて
今の時代にそぐわねぇよ─────
僕はブツクサと文句を言いながらも書類を
手に取り仕方なく仕事を再開した。
お陰様で仕事が終わるころには時刻は9時をまわっていた。
お腹は空いているのに僕は食のことより
羽菜ちゃんのことで頭がいっぱいだった。
すぐさま自分のロッカーまで行くと掛けている自分の上着のポケットから携帯を取り出した。
残念ながら羽菜ちゃんからのメールはきていない。
「やっぱりきてないか...」
羽菜ちゃんはあまりマメではないのは分かっている。
だから、たまに羽菜ちゃんからメールが入っていると飛び上がるほど嬉しい。
『羽菜ちゃん、仕事終わった?』と短いメールを送って少しの間、返信を待ってみる。
ピロリロリン♪
すると珍しく早く羽菜ちゃんからのメールが返ってきて心臓が跳び跳ねた。
しかし、その内容は『今日は仕事場の人とご飯食べて帰るから遅くなります』と僕の不安をあおるものだった。
仕事場の人ってだれだよ?
────まさか、男?
僕はいてもたってもいられなくなり、一階まで降りると社用車に乗り込み急いで車を発進させた。
途中、羽菜ちゃんが働いているカフェにも寄ってみたが、すでに店内は真っ暗で誰もいないようだった。
どこでご飯を食べているのか見当もつかないので仕方なくマンションまで車を走らせた。
そして、自分の部屋まで急いで上がると
先日開けたベランダの非常扉の穴から
羽菜ちゃん部屋を覗き込んだ。
部屋の中は真っ暗でノックをしても
何の反応もないので
まだ帰ってきていないようだ。
時刻はすでに22時半を過ぎている。
遅い!!遅すぎる!!
僕は部屋着に着替えると
冷蔵庫からアンパンと牛乳を取り出した。
そして、アンパンをかじりながら
ベランダの手摺に身を乗り出した。
「さむっ!!」
まだ春先で夜は冷え込む。
僕はブルブルと震えながら
羽菜ちゃんが帰ってくるのを
刑事の張り込みのように待ち構えていた。
僕は朝からイライラしていた。
仕事のトラブル対応に追われて羽菜ちゃんにメールを送れずにいたのだ。
しかも、昼食すら食べる時間のなかった僕に
直属の上司で僕の叔父が
「櫻介、ご苦労ご苦労。さすが優秀なやつは仕事が早いよな。ついでにこれも頼むよ。」
そう言って書類の束を机の上にポンと置いていった。
ふざけんなよ(怒)
入社してから羽菜ちゃんとの時間を作りたい一心で仕事を急いで終わらせていたのが仇となり、最近、次々と余計な仕事を任されている。
「叔父さん、俺、昼飯も食べてないんですけど!これはパワハラですよ。」
僕は書類の束を手に取ると叔父さんのデスクの上に投げた。
叔父は母の弟で社長の息子の僕にも容赦はしない。
それどころか、僕に任されている仕事量は他の社員とは桁違いだ。
「若いうちの苦労は買ってでもしろっていうだろ。俺はこれからメーカーさんと飲み会だからあとはお前に任せた!」
そう言って叔父は投げた書類を
再び僕のデスクにポンと投げ返すと、
椅子にかけていた上着をさっと羽織った。
「じゃあこのまま直帰だから、櫻介ファイトっ!!」
そして逃げるようにフロアから出ていってしまった。
あんの...クソ叔父(怒)
苦労を買うなんて
今の時代にそぐわねぇよ─────
僕はブツクサと文句を言いながらも書類を
手に取り仕方なく仕事を再開した。
お陰様で仕事が終わるころには時刻は9時をまわっていた。
お腹は空いているのに僕は食のことより
羽菜ちゃんのことで頭がいっぱいだった。
すぐさま自分のロッカーまで行くと掛けている自分の上着のポケットから携帯を取り出した。
残念ながら羽菜ちゃんからのメールはきていない。
「やっぱりきてないか...」
羽菜ちゃんはあまりマメではないのは分かっている。
だから、たまに羽菜ちゃんからメールが入っていると飛び上がるほど嬉しい。
『羽菜ちゃん、仕事終わった?』と短いメールを送って少しの間、返信を待ってみる。
ピロリロリン♪
すると珍しく早く羽菜ちゃんからのメールが返ってきて心臓が跳び跳ねた。
しかし、その内容は『今日は仕事場の人とご飯食べて帰るから遅くなります』と僕の不安をあおるものだった。
仕事場の人ってだれだよ?
────まさか、男?
僕はいてもたってもいられなくなり、一階まで降りると社用車に乗り込み急いで車を発進させた。
途中、羽菜ちゃんが働いているカフェにも寄ってみたが、すでに店内は真っ暗で誰もいないようだった。
どこでご飯を食べているのか見当もつかないので仕方なくマンションまで車を走らせた。
そして、自分の部屋まで急いで上がると
先日開けたベランダの非常扉の穴から
羽菜ちゃん部屋を覗き込んだ。
部屋の中は真っ暗でノックをしても
何の反応もないので
まだ帰ってきていないようだ。
時刻はすでに22時半を過ぎている。
遅い!!遅すぎる!!
僕は部屋着に着替えると
冷蔵庫からアンパンと牛乳を取り出した。
そして、アンパンをかじりながら
ベランダの手摺に身を乗り出した。
「さむっ!!」
まだ春先で夜は冷え込む。
僕はブルブルと震えながら
羽菜ちゃんが帰ってくるのを
刑事の張り込みのように待ち構えていた。



