年下御曹司の箱入り家政婦

その時、「夢島さん、夢島さん」と
僕の隣にいた男が僕を飛び越えて
羽菜ちゃんを呼ぶ。

「あっ先輩なんでしょう?」

羽菜ちゃんも僕を飛び越えて
男に問いかけた。

僕を間に挟んで会話する二人に
僕は不機嫌に顔を歪めた。

「このあと、カラオケ行くんだけど
夢島さんもどうかな?」

僕も梓さんだっているのに
なぜ羽菜ちゃんにだけ聞くのか
不愉快きまわりない。

「じゃあ僕も行っていいですか?」

僕が男に詰め寄ると男は「えっ?」と
顔をひきつらせた。

こいつ絶対羽菜ちゃんを狙ってる。

僕の直感が危険信号を鳴らす。


「こらっ!櫻ちゃん?
あなた高校生でしょ?
ご飯たべたら帰りなさい。」

羽菜ちゃんの言葉に「羽菜ちゃんが行くなら僕は帰らない」と反論する。

「もう...先輩すみません。
私、この子達送るのでカラオケはやめときす。」

「そうか。それはしょうがないね。」

男は物分りいいように羽菜ちゃんの前では答えているが、羽菜ちゃんが梓さんの方へ向き直るとガクッと肩を落としたことを僕は見逃さない。

ざまあみろと僕は舌を出す。