年下御曹司の箱入り家政婦

飲み会のお店に着くと
僕はすぐに羽菜ちゃんを探した。

一番奥の座敷で
ガヤガヤと盛り上がっている団体さんが
目にはいった。

「うわぁ~、大学生のお姉さまだ。
やっぱり高校生とは違うな。
で?お前のお目当てのお姉さまはどこ?」

隣で斗真がキョロキョロと店内を見渡す。

お前に言われなくたって今探してるんだ。

あっ!いたっ!


羽菜ちゃんは端の方に座って
隣の男となにやら楽しそうに
話し込んでいる。

僕は頭が沸騰しそうになった。

「くそっ、何だよあの男?
斗真、行くぞ!」


「マジで。お前、あの中に
乗り込むつもり?」

「お前は黙って俺についてくればいい。」

僕は羽菜ちゃん目掛けて歩きだした。

「あれ?羽菜ちゃん?」

「えっ!櫻ちゃん?
なんでここに?」

羽菜ちゃんは僕に気づいて驚いた表情を浮かべている。

「僕はこいつとご飯食べに来ただけだよ。」

俺は隣の斗真を指差した。

「どうも、友人の矢嶋斗真で~す。」

斗真は大学生の団体さんの前でかなり恐縮している。

「そうなの?でも、ここお酒飲むところだから高校生はあんまり出入りしたら良くないよ?」

羽菜ちゃんが心配していると
「夢島さんの弟?」
隣の男が話に割り込んできた。

「あっいえ...」
羽菜ちゃんは小さく否定する。

「どうも羽菜ちゃんが
いつもお世話になってます。
弟ではありません!
でも羽菜ちゃんとは家族よりも
近しい間柄です...ねっ?羽菜ちゃん?」


羽菜ちゃんはどういうこと?と首を傾げる。


「まあ、この話は置いといて
せっかくだから
一緒にお邪魔していいですか?」

僕はこれ以上、羽菜ちゃんが余計なこと言わないように話を進めていく。

羽菜ちゃんの友達の梓さんが
「どうぞ~」と助け船を出してくれた。

「じゃあ、遠慮なく」

僕は座敷に上がると
羽菜ちゃんの隣に座る男の後ろに立った。

「すみません。ちょっと開けてもらっていいですか?」

「あ、あぁ...」

男は言われるがままに席を譲った。