年下御曹司の箱入り家政婦

玉木のすきなやつって誰なんだろう...

俺はその後も仕事の間、頭の中はそのことでいっぱいだった。
俺は玉木の仕事場での顔しか知らない。
プライベートで何をしているのか、
どんな交友関係があってどんな人と今まで恋をしてきたのか...

そして午後九時、閉店作業を今日は玉木と二人で黙々と行う。


「玉木、お前今日は予定があるんだろ?
あとは俺がやっとくから帰っていいぞ」

俺は床を箒で掃きながら言った。

「えっ?」

玉木は食器を棚におさめる手を止めた。

「今日は合コンなんだろ?」

俺の問いに玉木は「はい。でも仕事はちゃんとやって帰ります」
少し寂しそうな顔で食器を再び片付け始めた。

本当は合コンなんて行ってほしくないな...

俺はそう脳裏に過って思わず箒の手を止めた。

ああ、そうか...俺はいつの間にか玉木に惹かれ始めていたのか...

そう悟って、呆れたように息を吐くと再び箒を掃きだした。