年下御曹司の箱入り家政婦

「泣くな。鼻水出てるぞ」

俺は玉木の細い指に絆創膏を巻き付けながら
クスリと笑いながら呟いた。

「ええっ?!嘘っ...」

玉木は慌ててハンカチで鼻を押さえた。

ここで嘘だと言ってあげたいところだが本当に鼻水がかなりの量、垂れていたから
「本当だ。」と俺は思わず笑ってしまった。

「新さん、笑わないでくださいよっ」

玉木は顔を真っ赤にして鼻を一生懸命すすっている。

こんな面白いやつ、夢野以来かもしれない...

夢野とは全然タイプは違うけど
なぜだろう、なんだか不器用なところがほっとけなくなってしまう。

「涙止まるまでそこで休んでろよ。」

俺はひとしきり笑うとサッと席を立った。

「いえ!もう止まりました!
私、新さんに認めてもらえるよう、
もっともっと頑張ります!」

玉木はスチャッと席を立つといつになく
やる気をみなぎらせている。

「ああ。ほどほどに頑張ってくれ...」

俺は嫌な予感が沸々と湧いてきて
控えめな声で言った。