すると羽菜ちゃんが「あっ!」と
声を上げた。

「羽菜さん、フリーの子思い出しましたかっ」

斗真が目を輝かせて言った。

「いや、斗真くん後ろ..」

羽菜ちゃんが斗真の後ろを指さしながら言った。

それと同時に
「斗真っ!!見つけたわよ!!」
と斗真に関さんが後ろから抱きついた。

斗真はヒイィーと悲鳴を上げる。

「どこ隠れてたのよっ!
3次会はカラオケデュエットするわよっ」

そして関さんに斗真は連れ去られて行った。


「斗真くん、大丈夫かしら..」

「斗真だから大丈夫だよっ」

「フフッ、そうよね」

羽菜ちゃんも斗真の神経の図太さを分かってきたようだ。

「でも、カラオケなんて絶対歌わされるんだろうな..久しぶりだから緊張しちゃう。」

羽菜ちゃんは顔を強張らせながら
胸に手を当てている。

「もし、歌えって言われたら
僕が一緒に歌うから大丈夫だよ」

僕が安心させるように提案すると
羽菜ちゃんは「うん。ありがとう」と
ホッとしたように顔をほころばせた。


「そんなことより、羽菜ちゃんっ
ちゃんと夜の為に体力残しといてよ」

僕は羽菜ちゃんの耳元で囁いた。

羽菜ちゃんはボッと火がついたように
顔を赤らめた。

「もうっ!
こんなとこでそんなこと言わないでよっ」

そして怒りながらも「ったく、3次会何人行くか聞いてくるから」と逃げていった。

可愛いなぁ..

カラオケなんかより
このまま僕の奥さん
お持ち帰りしたいんだけど。

僕はそんなことを考えながら
羽菜ちゃんの後を追った。

こうして幸せで賑やかな夜はふけていった。

           End