年下御曹司の箱入り家政婦

「見ろよ!
あそこの羽菜さんの大学の友達っ!
皆、可愛い子ばっかりなんだよ!
でも、お前が入ってたサッカー部の奴らが寄って集って先に声掛けてんだよ!
どうにかしろよ!」

「知るか!同級なんだから
気にせず入っていけばいいだろ?」


「バカッ、文化部だった俺はシャイなんだ..」

斗真はいきなりモジモジとしだしたが
全く可愛くないから協力する気にもならない。

「お前の一体どこがシャイなんだよ?
じゃあまあ、頑張ってくれ」

僕はかかわりたくなくて早々に
退散しようとしたが、
「薄情物っ!親友だろっ」
斗真は服を掴んで泣きついてくる。

お祝いの言葉は言わないくせに
女の子との仲を取り持てとか
僕を上回る自己中心っぷりだな。


「さっきまでは邪魔物扱いしてたくせに
面倒くさい奴だな」

僕は煩わしげに息を吐いた。