「おい、斗真お前何やってんだ?」

結婚式の二次会で皆、お祝いの言葉をくれる中、そういえばこいつの姿がずっと見えなかった。

僕はトイレを済ませて戻ろうとしたとき、
一人ソワソワと不審に動く斗真を
見つけて問い掛けた。

「あっ?なんだ櫻介か?
今、こっちは忙しいんだ。」

人の結婚のお祝いの為の二次会で何が忙しいというのだ。
おまけにシッシッと追い払う
仕草をする斗真に
プチッと血管が切れそうになる。

「お前、友達が結婚したというのに
お祝いの一言もなしか?」

「はっ?あんな可愛い奥さんもらって
幸せ絶頂でその上まだ祝えというのか?
欲張りな奴だなっ」

可愛い奥さんと言う言葉は有り難く受け取っておくが、欲張りとはなんだ(怒)

「お前、ここに一体、何しにきたんだよ?」

「そんなの決まってるだろ!
未来の奥さん探しだよ!!」

ズバッと悪びれる様子もなく言い切る
斗真に怒る気力も奪われる。