そして年は変わり、
ある晴れた春の昼下り。
白いウエディングドレスに身を包み、ヴァージン・ロードを父親代わりの天草誠之介と腕を組んで歩く羽菜の姿があった。
羽菜の目線の先には、白いタキシードを着た櫻介が自分の元まで来るのを穏やかな表情で待っている。
羽菜は一歩一歩、真っ赤なヴァージン・ロードを踏みしめながら今までのことを思い返していた。
櫻ちゃんと出会ったのは私が3歳のときで
櫻ちゃんは生まれたばかりの時だった。
きっと当時の私はこの出会いが将来の伴侶との出会いだったなんて思いもしなかっただろう。
それから時を経て再び巡り会って
恋に落ちたのは奇跡なんかじゃない。
私の父と母と、おじさまとおばさまとの縁が
私に新たな素敵な縁を結ぶきっかけと
なったから、これは父と母が最後に遺してくれた贈り物なんだと思う。
お父さん、お母さん、
素敵な贈り物をありがとう...
羽菜は櫻介の元まで来ると
歩みを止め、誠之介から櫻介へと
バトンタッチされた。
櫻介が羽菜にニコリと微笑みかけると
羽菜もそれに応えるように
ニコッと笑みを溢した。
そして指輪の交換をして
櫻介が誓いの言葉を述べる。
「羽菜さん、私と羽菜さんが2度目の再会をはたして10年もの月日が経ちましたね。
私にとってこの10年の間、
羽菜さんと過ごす日々は
毎日楽しくてとても幸せなものでした。」
事前に打ち合わせしていた誓いの言葉とは
違う内容に羽菜は目を丸くする。
「私は天国の羽菜さんのお父さんとお母さんに誓って、大切な一人娘の羽菜さんを生涯守りぬき、温かく楽しい家庭を築いていくことを誓います。」
羽菜の頬にポロリと涙が伝う。
「羽菜さん、私はあなたがいれば
それだけで幸せです。
私のそばでずっと
笑っていてくれますか?」
櫻介の問い掛けに
「はい。私も櫻介さんがいれば
ずっと笑顔でいることができます。
これからもよろしくおねがいします。」
羽菜は涙を流しながら微笑んだ。
「それでは誓いのキスを」
牧師の言葉で櫻介は羽菜のベールを
上げるとそっと唇を落とした。
誓いのキスはちょっと長い...
いや、かなり長いっ
羽菜はたまらず、皆に気づかれないように
櫻介の腕をポンポンと
小さく叩くとようやく唇は離された。
ある晴れた春の昼下り。
白いウエディングドレスに身を包み、ヴァージン・ロードを父親代わりの天草誠之介と腕を組んで歩く羽菜の姿があった。
羽菜の目線の先には、白いタキシードを着た櫻介が自分の元まで来るのを穏やかな表情で待っている。
羽菜は一歩一歩、真っ赤なヴァージン・ロードを踏みしめながら今までのことを思い返していた。
櫻ちゃんと出会ったのは私が3歳のときで
櫻ちゃんは生まれたばかりの時だった。
きっと当時の私はこの出会いが将来の伴侶との出会いだったなんて思いもしなかっただろう。
それから時を経て再び巡り会って
恋に落ちたのは奇跡なんかじゃない。
私の父と母と、おじさまとおばさまとの縁が
私に新たな素敵な縁を結ぶきっかけと
なったから、これは父と母が最後に遺してくれた贈り物なんだと思う。
お父さん、お母さん、
素敵な贈り物をありがとう...
羽菜は櫻介の元まで来ると
歩みを止め、誠之介から櫻介へと
バトンタッチされた。
櫻介が羽菜にニコリと微笑みかけると
羽菜もそれに応えるように
ニコッと笑みを溢した。
そして指輪の交換をして
櫻介が誓いの言葉を述べる。
「羽菜さん、私と羽菜さんが2度目の再会をはたして10年もの月日が経ちましたね。
私にとってこの10年の間、
羽菜さんと過ごす日々は
毎日楽しくてとても幸せなものでした。」
事前に打ち合わせしていた誓いの言葉とは
違う内容に羽菜は目を丸くする。
「私は天国の羽菜さんのお父さんとお母さんに誓って、大切な一人娘の羽菜さんを生涯守りぬき、温かく楽しい家庭を築いていくことを誓います。」
羽菜の頬にポロリと涙が伝う。
「羽菜さん、私はあなたがいれば
それだけで幸せです。
私のそばでずっと
笑っていてくれますか?」
櫻介の問い掛けに
「はい。私も櫻介さんがいれば
ずっと笑顔でいることができます。
これからもよろしくおねがいします。」
羽菜は涙を流しながら微笑んだ。
「それでは誓いのキスを」
牧師の言葉で櫻介は羽菜のベールを
上げるとそっと唇を落とした。
誓いのキスはちょっと長い...
いや、かなり長いっ
羽菜はたまらず、皆に気づかれないように
櫻介の腕をポンポンと
小さく叩くとようやく唇は離された。



