「何じゃないよ(怒)
早速、浮気して」

「朝から何を訳わからない言ってるの?」


「何の夢見てたの?」

「夢?」

僕に聞かれて羽菜ちゃんはう〜ん..と
少しの間、考え込んでいたが
「覚えてないわ」としらを切る。

「新の名前呼んでたよ」

「えっ?」

「夢の中で新と何してたの?」

「覚えてないったら。
仕事の夢でも見ていたんじゃない?」

「ムカつく」

僕は唇を尖らせながら呟いた。

「寝ているのだから不可抗力だわ」

「僕の夢、見てよ」

「そんな無茶言わないでよ」

ムスッと機嫌の治らないぼくに
羽菜ちゃんは困ったような表情を浮かべる。


「起きてるときは櫻ちゃんのことばかり考えてるんだから。ねっ?」

羽菜ちゃんは僕の頭に手を伸ばして
優しく撫でながらニコリと微笑みかける。

僕はその一言で単純にも気分が一気に再浮上した。

「じゃあ、許すっ」僕は布団の中で
羽菜ちゃんに抱きついた。

羽菜ちゃんはやれやれというように
僕の腕の中で息を吐いた。