年下御曹司の箱入り家政婦

翌朝、幸せな気持ちに包まれたまま
僕はぼんやりと目を覚ました。

隣を見ると羽菜ちゃんはスースーと
まだ気持ち良さそうに寝息を立てている。

僕は触れたい気持ちを抑えて
羽菜ちゃんを起こさないように
その可愛い寝顔を眺める。
 
楽しい夢でも見ているのだろうか
羽菜ちゃんは目を瞑ったまま
フフッと笑いを溢した。

僕もその可愛いさにつられて
思わずフッと笑ってしまう。

しかし、幸せに包まれていたのも束の間
「新さん、それ醤油ですよ..ムニャムニャ」
新の名前が出てきて一気に不愉快に
顔を歪ませた。

僕と一緒に寝ているというのに
なんで新の夢見てるんだよっ(怒)

僕の胸に嫉妬心がムクムクと膨れ上がって
羽菜ちゃんの白い頬を優しくつねった。

羽菜ちゃんはンンッと顔をしかめると
そっと瞼を開いた。

僕に頬をつねられていることに気づいて
「なに?」と僕の手を振り払うと
その手で瞼を擦っている。