年下御曹司の箱入り家政婦

羽菜ちゃん寝ていないよね？
僕は心配しながら寝室のドアをそっと開けると羽菜ちゃんはひとり寝室の窓から外の夜景を眺めていた。

「羽菜ちゃん？」

僕が名前を呼ぶと羽菜ちゃんは肩をピクっと
震わせた。

「羽菜ちゃん、緊張してるの？」

僕が羽菜ちゃんの元に足を進めながら
静かに問いかけると、羽菜ちゃんは窓の外に目を向けたままコクリと頷いた。

そうだよね、羽菜ちゃんは初めてだもんね..

その頼りなげな後ろ姿に僕の男としての守ってやりたくなる本能を掻き立てられる。

僕は優しく羽菜ちゃんを後ろから
抱きしめると「僕もめちゃくちゃ緊張してる
」と自嘲気味に笑いながら呟いた。

「櫻ちゃんも緊張してるの？」

羽菜ちゃんはこちらを振り返り
ビー玉みたいな瞳で僕を見つめながら言った。

「うん。緊張してるよ。僕の心臓の音聞こえない？」

僕は抱きしめる力を強めて羽菜ちゃんの背中に僕の胸を押し付けた。

羽菜ちゃんは暫く黙って抱きしめられていた。

しかし、「フフッ..太鼓みたいね」と少しからかい混じりに笑った。