年下御曹司の箱入り家政婦

それから、海外出張を終えて日本に帰国した僕は一旦、家に戻るとすぐさま羽菜ちゃんの職場へと車を走らせた。

そしてカフェレストランの駐車場に車を停めて羽菜ちゃんが仕事を終えて出てくるのを待つ。いきなり登場して羽菜ちゃんを驚かせたかったのだ。

そろそろ、店から出てくる時間かな..

僕は羽菜ちゃんを見逃さないように
車の中からソワソワしながら店の扉を眺める。

羽菜ちゃん、僕が急に現れたらびっくりするだろうな。嬉しくて抱きつかれたらどうしよう。それか、寂しかったと泣いちゃったら..

僕は感動の再会をひとり思い描いていた。

すると仕事を終えた羽菜ちゃんが店から出てきた。

僕は車から飛び出して
「羽菜ちゃんっ」と叫ぶ。

「あれっ?櫻ちゃん何してるの?」

羽菜ちゃんは感動どころかキョトンとした表情でゆっくりとこちらに向かってくる。

現実はあまりにも素っ気ない。

「羽菜ちゃんに早く会いたくて迎えに来たんだよ..」

僕は少し拗ねたように言った。

「そっか。ありがとう」

にっこりと笑う羽菜ちゃんの可愛いさに
僕はまあいいやと頬を緩ませた。
 
そして僕は羽菜ちゃんに向かって
「ほら、羽菜ちゃんっ」と両手を広げた。

「えっ?なに?」
 
羽菜ちゃんはそれを見て眉根を寄せる。

「再会のハグだよっ♫」

「嫌よ。馬鹿なこと言ってないで
帰るわよ?」

案の定、あっさりスルーされて
僕は渋々車へと乗り込んだ。