するとアメリカ人美女は肩をすくめながら
「Sorry,You are not my type
(嫌よ。あなたはタイプじゃないの)」
とはっきりと断った。

聞き取れなかった斗真は
「なんて言ったの?」と僕に聞いてきたから「タイプじゃないってさ」と教えてやった。

すると「うわぁー」と両手をこめかみに当てながら、「俺はどこに行けば彼女ができるんだーー」とアメリカ人もびっくりのオーバーリアクションをしている。
 

僕がそれを見て大袈裟なやつだなと
失笑を漏らしていると

「Would you like to have dinner together?(よかったら一緒に夕食しませんか?)」

別のアメリカ人女性が僕に話かけてきた。


すぐにナンパだと分かって僕は顔を横に振った。

「I'm not interested in you because I have a girlfriend
(彼女がいるから君には興味ないよ)」

僕がはっきりとNOをつきつけるとその女性は残念そうに去っていった。


その一部始終を見ていた斗真は
「日本でもロスでもお前ばっかり。」
ムスッと不機嫌に八つ当たりしてきた。

そして「神様は不公平だー!!」と夜景に向かって叫んでいる。

「恥ずかしいから向こうでやってくれよ」

連れだと思われたくない僕は斗真と少し距離を取る。

僕は誰に好意を寄せられても
羽菜ちゃんだけだから...

羽菜ちゃんは今頃、仕事頑張ってるのかな..

早く羽菜ちゃんに会いたいな...

僕はスマートフォンを手に取ると羽菜ちゃんに送る夜景をパシャリと写真におさめた。