それから櫻ちゃんは数日後にロサンゼルスへと斗真くんとともに旅立って行った。

まあ、櫻ちゃんが大人しく旅立つわけもなく
何度か貞操の危機を乗り越えたのだけど。

取り敢えず、キスより先はおあずけ状態の櫻ちゃんに「ロスから帰ってきたら約束だよ」と何度となく念を押された。

これまで1週間も櫻ちゃんと離れたことはなかったから、やはり誰もいない静かな部屋に戻ると少し寂しかった。

一人でテレビを見ていても、つまらなくなって結局消してはつけての繰り返しだ。

相変わらず、櫻ちゃんはメールを頻繁にくれるけど、電話は時差の関係でなかなかできなかった。

5日が過ぎた頃、 
仕事が終わり
櫻ちゃんからのメールを確認すると
沢山の写真と共に“早く会いたい”の
メッセージが送られてきた。

私はそのメールに“私も寂しいから早く会いたい”と返信した。

するとすぐさま櫻ちゃんから電話が掛かってきたのだ。
私からメールで会いたいと言われたのがとても嬉しかったようだ。
もう一度、私の口から言ってほしいと催促されて私は思わず笑ってしまった。

それかも遠い距離を埋めるように
私達はメールや電話で連絡を取り合った。

私はカレンダーの日にちを確認するたびに
早く帰ってこないかなぁと無意識に呟いていた。