年下御曹司の箱入り家政婦

そして、二人手を繋いで公園を出て
車に乗り込んだ。

すると車のエンジンをかけた櫻ちゃんは
「あっ?!」と思い出したように叫んだ。

シートベルトをつけていた私は
「なにっ??」とギョッと櫻ちゃんの方に顔を上げた。

「来週からロサンゼルスに出張なんだった」

櫻ちゃんは「せっかく両思いになれたのに」
とハンドルに突っ伏した。

「仕事なら仕方ないじゃない」

「羽菜ちゃんもついてきてよ..」

櫻ちゃんはハンドルから、少し顔を上げると
上目遣いに甘えた声を出す。

「無理よ。1週間も仕事休むなんて」

「斗真に一人で行ってもらおうかな」

櫻ちゃんは顎に手を添えて
なんとか行かないで済む方法を模索している。

「斗真くんも一緒なの?」


「あーうん。あいつ英語話せないくせに
観光したい一心で僕の助手に立候補したんだ。」

斗真くんらしいなと私は苦々しく笑った。

「斗真くん、英語話せないなら一人は無理でしょ」

「ジェスチャーで切り抜けてもらう。
あいつならやれそう」

「そんな無茶苦茶な。」

私は呆れたように言った。

「羽菜ちゃん、冷たいよね。
両思いなのに愛の比重の違いを感じるんだけど..」

櫻ちゃんはムスッと不機嫌に呟いた。