「うん。僕が今朝羽菜ちゃんに八つ当たりしちゃったから怒ったのかと心配してた。」
ああ、そう言えば出るとき櫻ちゃんなんか拗ねてたような. . .
櫻ちゃんが拗ねたりいじけたりするのなんて日常茶飯事だからいちいち気に留めていられないわ..
「フフッ。あれくらいで怒ったりなんかしないわ。
そう言えばなんで拗ねてたの?」
「それは、羽菜ちゃんが蘭ばかりかまうし。
それに蘭と僕に全然嫉妬してくれなくなっちゃったから、まだ僕は弟止まりなのかなってかなしくなったんだ。」
櫻ちゃんは地面に落ちている石ころを
手でもて遊びながら、いじけた様子で言った。
そんなことない.. .
私は櫻ちゃんのことちゃんと男の人として見てるよ?
私は心の中でそう呟く。
でも、ちゃんと言葉で伝えないと思っているだけでは伝わらないんだ. .
私が告白を躊躇っている間に、櫻ちゃんに不安な思いをさせていたことにひどく
私は心を決めると、しっかりと櫻ちゃんの目を見つめて言う。
「櫻ちゃん不安にさせてごめんね。
でも、櫻ちゃんはもう私の中で弟なんかじゃないよ?」
私の言葉に櫻ちゃんは一瞬、静止したかと思ったら、一拍おいて「えっ. . .?」と驚きの表情を向けた。
私はブランコから降りて
櫻ちゃんの前にしゃがみ込む。
「私の周りにはおじ様におば様、友達や職場の皆、大好きな人は沢山いるけど
櫻ちゃんの好きは特別だって気づいたの。
櫻ちゃんといると胸がドキドキ高鳴ったり、締め付けられるように苦しくなるの。」
今、こうして櫻ちゃんの瞳を見つめてる間にも私の胸はまるで櫻ちゃんを好きだと叫ぶようにギュッと締め付けてくる。
私はその痛みを確かめるように
自分の胸にそっと手を当てた。
「ねえ、櫻ちゃん...
これが恋なんでしょ?」
羽菜が櫻ちゃんの顔を覗き込みながら
問いかける。
櫻ちゃんの瞳にじわりと涙が滲んで
櫻ちゃんは慌ててそれを拭った。
「うん。
羽菜ちゃん、それが恋だよ。
僕が羽菜ちゃんといる時
ずっとそうだったから. . .」
櫻ちゃんははにかんだように
こくんと頷いた。
「私、櫻ちゃんが好き. . .」
今まで恥ずかしくて言えなかった一言が
自然と口から溢れ落ちた。
私は「やっと言えた. . .」と嬉しさと安堵から笑みが溢れる。



