蘭は玉ねぎを切りながら
「ありがとうございます. . .」
ボソッと小さく呟いた。
それは耳を済ませていなければ
聞き逃してしまうような小さな声だったけど
私の心に響いて自然と笑みが溢れた。
それから二人で作った料理をテーブルに
並べて食事を共にする。
「私、今の会社辞めようと思うんです。」
「えっ?」
「今の会社に入ったのも、櫻介のこと追っかけて入社しただけだし。前々から自分には営業は向いてないことは分かってたんです。
今日、羽菜さんと一緒に料理を作ってとても楽しかったです。それに昔から料理だけはすきだったから。だから、遅くなるかもしれないけど料理学校に通ってゆくゆくは羽菜さんみたいに料理に携わる仕事につけたらなと思います。」
「じゃあ、櫻ちゃんのことは?」
「櫻介のことは諦めます。というか、最初の頃は櫻介に恋してたと思うんですけど
徐々に好きというより執着して寂しさを紛らわしていただけのように思うんです。」
「今は寂しくない?」
「はい。聞いてもらっただけなのになんだかすうーっと悩んでたことがとても小さいことのように感じてきました。不思議です. . .
でも、多分家でずっと一人でいたら
また寂しさが湧き出してくる気もします。
そしたら、また遊びに来てもいいですか?」
蘭はモジモジと少し言いにくそうに言った。
「ふふっ、勿論よ」
私が笑顔を向けると蘭ちゃんも安心したように頬を緩ませた。
「ありがとうございます. . .」
ボソッと小さく呟いた。
それは耳を済ませていなければ
聞き逃してしまうような小さな声だったけど
私の心に響いて自然と笑みが溢れた。
それから二人で作った料理をテーブルに
並べて食事を共にする。
「私、今の会社辞めようと思うんです。」
「えっ?」
「今の会社に入ったのも、櫻介のこと追っかけて入社しただけだし。前々から自分には営業は向いてないことは分かってたんです。
今日、羽菜さんと一緒に料理を作ってとても楽しかったです。それに昔から料理だけはすきだったから。だから、遅くなるかもしれないけど料理学校に通ってゆくゆくは羽菜さんみたいに料理に携わる仕事につけたらなと思います。」
「じゃあ、櫻ちゃんのことは?」
「櫻介のことは諦めます。というか、最初の頃は櫻介に恋してたと思うんですけど
徐々に好きというより執着して寂しさを紛らわしていただけのように思うんです。」
「今は寂しくない?」
「はい。聞いてもらっただけなのになんだかすうーっと悩んでたことがとても小さいことのように感じてきました。不思議です. . .
でも、多分家でずっと一人でいたら
また寂しさが湧き出してくる気もします。
そしたら、また遊びに来てもいいですか?」
蘭はモジモジと少し言いにくそうに言った。
「ふふっ、勿論よ」
私が笑顔を向けると蘭ちゃんも安心したように頬を緩ませた。