年下御曹司の箱入り家政婦

しかし、面倒なのはここからだった。

ご飯を食べ終えた僕達だったが
蘭が飲みすぎて一人では帰れないほど
泥酔したのだ。
 
しかも、「家には帰らない!櫻介の家に泊まる!」と駄々をこねる始末。

タクシーに乗っても頑なに自分の家の
住所を割ろうとしない。

タクシーの運転手さんも
車を発進できないものだから
困っている。というか、ミラー越しにあからさまに嫌そうな顔をしている。

斗真にこうなったらどっか
ホテルに泊まらせて僕達は帰るかと 
提案したのだが
「ホテルに一人にしたら
死んでやるんだから!」
と脅し文句を吐かれ意地でも僕の部屋に泊まるつもりだ。

取り敢えず、タクシーの運転手さんが
イライラしだして車から追い出されそうな雰囲気になってきたので
一旦僕の部屋に連れていくことにした。

さすがに斗真もいるので
襲われることはないだろう...

これではどちらが男で女か分からない。

僕は身の危険を感じながらも
斗真と二人で僕の部屋に
蘭を運び入れた。