年下御曹司の箱入り家政婦

それから仕事を終わらせると
僕らは3人で会社の近くの
居酒屋へと向かった。

そして個室に通された僕達は
それぞれ好きな物を注文していく。

そして料理が来るまでの間
僕は羽菜ちゃんに
“今日は食べて帰ることになったからご飯はいらないよ。ごめんね”とメールを打つ。

本当は羽菜ちゃんの手料理
食べたかったのにな...

僕はスマホを握り締めると
店員さんによって
次々にテーブル上に並べられていく
料理を前に肩を落とした。

「あの女にメール?」

蘭は僕に鋭い目を向けて言った。
そうだよ!お前のせいで羽菜ちゃんの手料理食べそこなったんだよ!
と言いかけてやめた。

「そうだけど。
蘭、じゃなかった平尾さん、 
羽菜ちゃんをあの女呼ばわりするなよな。」

「櫻介が下の名前で呼ばなくなったのも
あの女に言われたんでしょ!」

「違う!
ただの同僚なんだから下の名前で呼ぶ方がおかしいだろ」

僕は枝豆を摘みながらぶっきら棒に答える。

もし、羽菜ちゃんが嫌がるからなどと
言ったら羽菜ちゃんに被害が及びそうだ。