年下御曹司の箱入り家政婦

それから二人でピザを食べ終えて
会計を済ませると
再び車に乗り込んだ。


「これからどっか行く?」

櫻ちゃんは運転席から
期待に満ちた表情で
私の答えを待っている。

「流石に旅行で疲れたから
今日はこのまま家に帰るわ」


「そっか. . .」

櫻ちゃんは残念そうに呟くと
車を発進させた。

それから車に揺れながら
私は疲れて意識を手放していた。

ハッと目を覚ましたときには
すでに1時間近く経っていた。

「ごめん。寝ちゃってた。」

「いいよ。羽菜ちゃんの寝顔可愛いかったし」

悪戯に微笑む櫻ちゃんに
私はカアっと顔が熱くなる。

「でも、流石にずっと運転疲れたでしょ。
そうだ。バッグにガムがあったから
ちょっとまってね」

私は急いでバッグの中を探した。

「あっ!あった」

バッグの中に入っているガムを見つけると
私はそれをバッグから取り出した。

その時、何が引っ掛かって
ポロリと運転席と助手席の間に
落ちた。
   
「あっ!」

私はそれを急いで拾いあげた。

「何それ?」

櫻ちゃんは運転しながらチラリと
私の手の中に光るものに目をやった。

「これは新さんから、あっ!....」

私はそこまで言って口を閉じると
さっとバッグにそれを閉まった。